~シリーズ 世界のライフスタイル~ 2017年、中央アジア初の万博開催! 急成長を遂げるカザフスタンの首都、アスタナ

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国土面積が世界第9位、広大な土地を保有するカザフスタンは、ロシア、中国、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、カスピ海と隣接する世界最大の内陸国で、100以上もの民族が暮らす多民族国家です。1991年の旧ソ連からの独立以降、石油、天然ガスなどの豊富な天然資源や鉱物をベースに経済成長を遂げてきました。今後の国家方針としては、天然資源への過度な依存からの脱却を図り、製造業を通じた経済の多角化を目指しています。また、2015年にはWTOへの加盟を果たし、優遇制度などを含む外国からの投資環境を積極的に増加させています。そして、2017年の6月には首都アスタナ市で「未来エネルギー」をテーマに国際博覧会が開催されます。その万博の開催地となる首都アスタナの今をライフスタイル・リサーチャーがレポートします。

完成図:万博展示会場を中心に設計された未来都市

完成図:万博展示会場を中心に設計された未来都市

首都アスタナは1997年に旧都アルマティから遷都し、数多くの近未来的な建物が人々を魅了する新しい都市です。遷都から20周年を迎える2017年6月10日から9月10日までの3ヵ月間、世界から約100ヵ国が参加する中央アジア初の国際博覧会が行われるため、現在、新市街と空港の間にある万博開催地で建設工事が着々と進んでいます。「未来のエネルギー」が万博のテーマで、これはカザフスタンが「天然資源への過度な依存からの脱却」をする一歩になると考えられています。そのため、ソーラーパネルが敷地内全ての建物に、そして公園や幾つかの建物内には風力タービンや窓に貼ることで太陽光から発電できる「シースルー発電フィルム」が設備されることで、都市全体の再生可能エネルギーの30~40%の電力効率があがる想定がされています。

https://expo2017astana.com/images/pdf/prezent_spons_rus.18.11.2014.pdf

 

2016年8月時点の万博会場付近の工事の様子 カザフスタンのパビリオンはすでに外観が完成している

2016年8月時点の万博会場付近の工事の様子 カザフスタンのパビリオンはすでに外観が完成している

万博に向けて市ではさまざまな取り組みを行っています。渋滞緩和のために車両通行帯が編成され、大雨が降ると池のような大きな水たまりができることもあった道路には排水溝が設置されるなどインフラ整備を急速に進めています。

また、外国人観光客誘致のため、世界20ヵ国に対して、2015年7月16日~2017年12月31日まで入国ビザを免除しています。現在、新市街を中心に外資高級ホテルチェーンが進出、「Hilton Garden Inn」や「Marriott Hotel」はすでにオープン、「Ritz Carlton」や「Sheraton」などは現在建設中です。万博期間中には全国73ヵ所の観光名所ツアーが用意され、観光客はアスタナ万博だけでなく、カザフスタンの自然に触れ文化・歴史を知ることができます。

(左)ソーラーパネルを使った横断歩道の標識は夕方になるとライトが点滅する(中)ゴミ箱が増設されクリーンな街づくりを図る(右)新市街メインストリートの案内図には英語表記がされている

(左)ソーラーパネルを使った横断歩道の標識は夕方になるとライトが点滅する(中)ゴミ箱が増設されクリーンな街づくりを図る(右)新市街メインストリートの案内図には英語表記がされている

 

EEU首脳会議の様子

EEU首脳会議の様子

2014年5月、ユーラシア経済連合(EEU)が発足しました。これは領内経済統合(統一経済圏)によって、人・物・資本・サービスの自由な移動が可能になり、開放的、競争的で効率的な市場を目指すものです。カザフスタンの人口は約1,760万人で、その小規模な市場により爆発的な内需拡大は難しいものの、EEUの発足によりEEU圏でみれば人口もGDPも同国の約10倍(人口約1億7千万人、GDP約2兆2千ドル)と、市場規模が大幅に拡大することで、高い経済成長が見込まれています。

また、付加価値税や法人税、所得税などがロシアより低いため、カザフスタンを拠点にロシアやベラルーシ市場に進出する企業も増えています。EEU発足後のわずか1年の間にカザフスタンで登記したロシア企業は1万企業にも昇ります。インターネット経由での会社登記がロシアでは1ヵ月以上かかるのに対し、カザフスタンではわずか2日で済むなど、手続きが容易で、しかも平均労働賃金が20~30%低いことも、この国の魅力になっています。生活面では、2015年のカザフスタン通貨(テンゲ)の完全変動制導入にともない、テンゲが急落したことで外国からの商品が値上がりをする中、EEU加盟国からの輸入品は安定した価格を維持しています。石油価格の暴落や通貨切り下げで痛手を負っているカザフスタン経済で、今後EEUがどのようにカザフスタン経済に影響を与えていくか長期的に見る必要があります。

http://azh.kz/en/news/view/7662

 

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中国語のコースは学生や社会人に人気

中国語のコースは学生や社会人に人気

カザフスタンでは、地理的に隣接する中国の影響が大きくなっています。 2015年には中央アジア最大といわれる「クラスA(総延床面積2万㎡以上の大型物流施設)」の輸送・物流センターがアスタナ-カラガンダ(アスタナから南西約200kmのカザフスタン第4の都市)国営高速に完成し、ユーラシア輸送、物流、ビジネスの拠点となりました。国営輸送事業社の「KTZ express」は、この輸送・物流センターを中継点にすることで、陸路・空路を通して中国-カザフスタン-ヨーロッパの従来の海運による貨物輸送日数4週間~6週間を2週間にまで短縮することを可能にしました。輸送・物流センターは今後、カザフスタン全国の主要7都市にできる予定で、中国とカザフスタンのビジネス関係はより一層強くなると予想されています。そのため、中国語を学ぶ若者や社会人が急速に増加し、中国へ留学するカザフスタン人は、10年前の約5倍の約12,000人にまで増えています。

http://astana.all.biz/kursy-kitajskogo-yazyka-v-astane-ceny-s131793#.V6ZoMCiLTIU

 

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近年アスタナでは、韓国の中堅建設会社による高級マンションが富裕層を中心に人気を集めています。 カメラ付きインターホン、オートロック式暗証番号キー、ウォシュレット付きトイレ、床暖房、浄水器などが設備されており、スペースを有効活用した大容量の収納棚やクローゼットなども人気となっています。また、マンション敷地内にはカフェやレストラン、スーパーマーケット、フィットネス、スパ、美容院、託児所、語学学校などが併設されていることも人気の要因です。今までカザフスタンの新築住宅は、内装設備が施されていない状態で売買されることが一般的だったため、このように内装が施された売り出し方の需要が高まっています。

(左)新市街中心部にある大統領公園の目の前の25~30階建ての高層マンション「ハイビルアスタナ」(右)オープンキッチンで収納場所が多い。 日本でもよく見られる内装となっている

(左)新市街中心部にある大統領公園の目の前の25~30階建ての高層マンション「ハイビルアスタナ」(右)オープンキッチンで収納場所が多い。 日本でもよく見られる内装となっている

(左)部屋のインテリアはクラシック、モダン、新モダンがあり、部屋の大きさによって決まる(クラシックは5部屋以上の場合のみ)(右)マンション内のコミュニティーセンターにある フィットネスジムの様子

(左)部屋のインテリアはクラシック、モダン、新モダンがあり、部屋の大きさによって決まる(クラシックは5部屋以上の場合のみ)(右)マンション内のコミュニティーセンターにある
フィットネスジムの様子

https://vk.com/public98087714?z=album-98087714_218340538

 

カザフスタンの平均初婚年齢は24.3歳、女性の80%が25歳までに結婚しています。アスタナ市では出生数が年率4%上昇しており、街では子ども連れの若い夫婦の姿が多く見受けられます。また、年の半分が寒い冬の期間で、最も寒いときは気温マイナス30度~マイナス40度にまで達することがあります。そのため室内で楽しめる施設の需要は高く、ショッピングモールなどでは、さまざまなファミリー向けプロモーションが行われています。テントのような形をしたアスタナ最大のショッピングモール「ハンシャティル」では、実寸大の恐竜の模型が飾られた「恐竜パーク」やモルディブから運び込まれた砂浜を使用した室内プールが併設されており人気になっています。また、アスタナの中心部にあるショッピングモール「サリアルカ」では、小動物と触れ合える施設やおとぎ話の国をイメージしたアスレチック施設が人気になっています。ここでは、陶器やガラスの絵付け、折り紙、アクセサリーづくり、体を使って遊ぶアスレチック、幼児対応のスタッフが常駐するサービスが提供されています。隣にはカフェが併設され、子どもを待つ親がゆっくりくつろいだり、遊び疲れた子どもが軽食を摂ることができるようになっています。

(左)ショッピングモール「サリアルカ」内のアスレチック施設「ミミオリヤ」は、テーマごとに部屋が分かれている(中)隣のカフェでは頻繁に誕生日パーティーが開かれる(右)室内で動物とふれ合あえる施設 「контактный зоопарк(コンタクティ ザオパルク)」

(左)ショッピングモール「サリアルカ」内のアスレチック施設「ミミオリヤ」は、テーマごとに部屋が分かれている(中)隣のカフェでは頻繁に誕生日パーティーが開かれる(右)室内で動物とふれ合あえる施設 「контактный зоопарк(コンタクティ ザオパルク)」

(左)アスタナ市最大のショッピングモール 「ハンシャティル」(中)ハンシャティル屋上にある 「スカイビーチクラブ」(右)ハンシャティル内に設置されている 「恐竜パーク」

(左)アスタナ市最大のショッピングモール「ハンシャティル」(中)ハンシャティル屋上にある「スカイビーチクラブ」(右)ハンシャティル内に設置されている「恐竜パーク」

 

kazafu10アスタナのトレンドエリアを歩く若者をキャッチ!左側の男性は1年前にアルマティ市からやってきた20歳の大学生。趣味はブレイクダンス。最近購入したものは白のTシャツで、今欲しいものはダンス用のかっこいいスニーカー。

一方の右側の女性は2015年に東部のパブロダール市の高校を卒業し、アスタナで働きだしたばかりの19歳の女性です。最近購入したものは薄いジャケット。今後の目標は政府から安いローンでアパートを購入すること。

白樺ジュース

白樺ジュースをさまざまなサイズで販売するのは国産メーカー「Riks Ltd」。1L約180テンゲ

白樺ジュースをさまざまなサイズで販売するのは国産メーカー「Riks Ltd」。1L約180テンゲ

カザフスタンでは白樺の樹液から生まれた、白樺ジュースがスーパーマーケットで売られています。低カロリーでほんのり甘く、ほぼ無味無臭に近いため、水に砂糖シロップを混ぜたようなテイスト。白樺の樹液にはミネラルやアミノ酸がバランスよく含まれており、体内への吸収も良いといわれています。

http://riksltd.kz/ru/production/berezoviy_sok

馬肉ソーセージ

お祝いの席でも前菜やメイン料理で使用される馬肉ソーセージ。カザフスタンでは多くの家庭で手作りしている

お祝いの席でも前菜やメイン料理で使用される馬肉ソーセージ。カザフスタンでは多くの家庭で手作りしている

馬肉は牛や羊より栄養が豊富とされ、カザフスタンでは家庭料理として頻繁に食卓に上がります。馬肉ソーセージは肉を塩、コショウ、にんにくで漬け込み、脂肪と合わせて腸詰したものです。肉はさまざまな部位が使われますが、あばら肉は美味しさを出すために必須です。馬肉ソーセージは前菜としてパンといっしょに食べたり、料理の味にコクと深みを出すために使われます。

https://www.nur.kz/870441-kazy-kak-delayut-samyy-znamenityy-kaza.html

カザフスタン伝統アクセサリー

現在でも現地女性の間で身につけられている伝統アクセサリー

現在でも現地女性の間で身につけられている伝統アクセサリー

遊牧民時代、家柄の裕福さを表すシンボルや悪いエネルギーから身を守るために、女性は頭から足先までアクセサリーを身にまとっていました。もちろん現代ではファッション感覚で若者から年配までおしゃれを楽しむために身につけています。ひとつひとつ手作りで、シルバーにカザフスタンならではの伝統的デザインと宇宙や自然、動物などの意味が込められています。

https://beruvse.wordpress.com/artisans-gifts/central-asia-kazakhstan/

カザフスタンにあったら人気になりそうなアイテム!

①日本製の美顔器・スチーマー

国土が全て内陸地で大陸性気候のカザフスタンでは年間を通して空気が乾燥しているため、肌の乾燥が目立ちます。特に冬はセントラルヒーティングが稼働するため、室内の乾燥が進みます。ネイルと美容院通いは欠かせないという美意識の高いカザフスタン女性に、家庭で気軽にケアができる日本製美容グッズは需要が高そうです。

②質・価格ともに安心のファストファッション

手軽な価格で質が良く、使い勝手のよいファストファッション、例えば「ユニクロ」のような衣類が中間層の多いカザフスタンで人気を得そうです。多民族国家なので、さまざまな骨格の人がいますが、基本的にはアジア系が多いため、サイズ感が日本と大きく異ならない点も良いと思います。冬は-40度まで下がるため、軽くて保温性のある衣類なども活躍しそうです。

③インフルエンザ迅速診断キット

カザフスタンではインフルエンザやノロウイルスの迅速診断キットが病院で普及していないため、特に乳幼児の受診で誤った診断が起こり、気管支炎や肺炎まで進行するケースが多く、症状が悪化してから抗生剤の注射を打たれる乳幼児が多いです。そのため、日本の高度な医療機器は需要が高いと思われます。

④子ども用シューズ

子どもの足の成長を考えた質の良い靴が一般に流通していません。中国から輸入された靴は安価ですが機能性が悪く、トルコやロシアから輸入された靴は重たく、ヨーロッパから輸入された靴は値段が高いです。整形外科医とシューズメーカーが協同し、子どもの足の成長を考えて製造した靴も販売されていますが、重たく高価なため人気がありません。日本の比較的安価で質の良い靴は子どもの人口が増加するカザフスタンでは需要が高いと思います。

⑤日本の100円ショップ

中国やロシア製の品質の不安定な生活用品が数多く出回っているカザフスタンでは、日本の100円ショップで販売される品質の安定した安価な製品は需要があると思います。また、比較的若年齢から化粧を始める女子学生が多く、安価な100円ショップの化粧品は人気が出ると思います。

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