~シリーズ 世界のライフスタイル~ 各国の「原汁原味」が上海に上陸~「SIAL CHINA 2018」レポート~

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各国の「原汁原味」が上海に上陸 「SIAL CHINA 2018」レポート

各国の「原汁原味」が上海に上陸 「SIAL CHINA 2018」レポート

201851618日、今回で19回目となる「SIAL CHINA 2018」が上海で開催され、70の国と地域から3,400社が参加しました。今回特に注目を集めていたのは「原汁原味」の商品。この言葉は、素材そのままの味、天然でナチュラルな味、異国の本場の味などを指すもので、「おいしいもの」を指すときに中国人がよく使う言葉です。今回出展された商品も、スーパーフードやナッツ、ドライフルーツ、日系メーカーの干物など、素材の味、その国の食べ方を紹介するものが多く見受けられました。そんな本場の新鮮な食材を届けるためのスピーディーな流通、販売方法も進化。それにより、グローバルな食の潮流も時差なしで中国に届けられ、一般消費者にも広く受け入れられていることがわかる展示会でした。それらの一部をライフスタイル・リサーチャーがご紹介します。

(企業名称は敬称略にて記載しています)

 

【グローバル企業の「原汁原味」】 本場の最新の味を中国に

海外の食文化を柔軟に受け入れる上海では、中国の味覚に寄せたものよりも本場のそのままの味や食べ方に注目が集まります。「原汁原味」の異国テイスト、グローバルな食潮流は時差なしで中国に受け入れられています。

スーパーフード事情も世界と同時進行中

朝食、おやつとして気軽に食べられるチアジャム

朝食、おやつとして気軽に食べられるチアジャム

SIAL CHINA 2018イノベーションセレクションのファイナリストに輝いたのは、アメリカのメーカー「WORLD OF Chia」のチアシードジャム。ほかにもマヌカハニー、モリンガ、アサイーなどを使った様々な商品を各国が紹介していました。これらのスーパーフードを使った商品は既に上海の小売店でも人気を得ています。

(写真左)イタリア「TERRE DI PUGLIA」のチアクッキー(写真中央)オーストラリア「BeePower」のマヌカハニー(写真右)南アフリカ「KUZA」のモリンガスナック

(写真左)イタリア「TERRE DI PUGLIA」のチアクッキー(写真中央)オーストラリア「BeePower」のマヌカハニー(写真右)南アフリカ「KUZA」のモリンガスナック

ヘルシー志向ドリンク

ベラルーシの「MZBN」によるシラカバ樹液ドリンク、ポーランドの「VIGO」によるコンブチャドリンクなど、自然素材を使ったヘルシードリンクも定番系として数多く出品されていました。

(写真左)砂糖や香料を入れない「原汁原味」のシラカバウォーター(写真右)中国では「紅茶菌」の名前で知られるコンブチャ

(写真左)砂糖や香料を入れない「原汁原味」のシラカバウォーター(写真右)中国では「紅茶菌」の名前で知られるコンブチャ

 

 

オイルやバルサミコ酢、塩や胡椒、バターに至るまで、昨今のフレーバー・ブームは上海にも。

オリーブオイルの進化系

スプレー式フレーバーオリーブオイル

スプレー式フレーバーオリーブオイル

イタリアの「MANTOVA」は、料理にもスキンケアにも使えるスプレータイプのオリーブオイルを紹介。レモン、トリュフ、ガーリックなどのフレーバー系もスプレーボトルで揃え、パスタやマリネに和えやすいことをPR

 

 

「有機」であることが基本

「BIO PLANETE」の各種オイル

「BIO PLANETE」の各種オイル

フランスの「BIO PLANETE」は、ローストクルミオイル、フラックスシードオイル、パンプキンシードオイルなどすべて有機であることをPR

 

 

 

 

ロシアで展開するサジーオイル

サジーはオイルのほかワインにした商品も

サジーはオイルのほかワインにした商品も

新疆ウイグル自治区の「新疆北箭庄園国際貿易有限公司」が手がけるサジー(シーバックソーン)オイルは、国産オイルの注目株。天然のサジーを使っており、免疫力増強、アンチエイジングなどの効果があるそう。調理用ではなく、そのままスプーンで飲む健康食品的位置付け。ロシアで展開している中国ブランドが逆輸入という形で注目を集めています。

 

 

 

 

バルサミコ酢の新形態

はちみつ、醤油、唐辛子などのフレーバー

はちみつ、醤油、唐辛子などのフレーバー

近年注目を集め始めているバルサミコ酢。ギリシャの「galaxy」は、シロップのようなテクスチャー、クリームのようなまろやかさのフレーバーバルサミコ酢(クリームバルサミコ酢)を紹介。

 

 

 

 

甘くなく、素材の味、素材そのものをアピールする「ヘルシースナッキング」が大々的に紹介されていました。

ナッツ、ドライフルーツの産地が大集合

写真のブラジルナッツのほか、ピーカンナッツのブースも多数。アメリカ館では大型ブースでクルミを大アピール

写真のブラジルナッツのほか、ピーカンナッツのブースも多数。アメリカ館では大型ブースでクルミを大アピール

今回特に目立ったのがブラジルの「inovamを始めとするナッツ、ドライフルーツのメーカー。南米、中東などの複数の企業が出店。中国にはヒマワリやかぼちゃの種を間食として日常的に食べる文化があり、そこに切り込みたいという熱意が伝わってきました。

ドライフルーツは、各国がイチジクを推していた

ドライフルーツは、各国がイチジクを推していた

 

 

オーガニックドライフルーツ

トルコのメーカー「ISIKはオーガニックを前面に打ち出したドライフルーツを紹介。

 

 

 

 

外資も野菜チップ激戦区に参戦

中国のニーズに合わせた外資メーカーの商品がタイトルを獲得

中国のニーズに合わせた外資メーカーの商品がタイトルを獲得

フィリピンのメーカー「Oh So Healthy!の「フルーツクリスプ(ドライフルーツスナック)」が「SIAL CHINA2018」のイノベーションセレクションに選出され、試食に行列ができていました。

 

 

 

 

【中国企業の「原汁原味」】 トレンドは素材そのものの味=天然志向

料理やお菓子などに調味料やスパイスを多く使う中国だが、近年は素材の味がわかるもの、ナチュラルな風味の「原汁原味」商品が人気を集めている。国内企業の最先端商品も、やはり素材の味を生かした商品がメインでした。

野菜そのままのスナック

ドライ野菜のブースを出していたのは10社以上

ドライ野菜のブースを出していたのは10社以上

福建省のメーカー「大地生機など、複数の国内メーカーがキノコ、オクラ、ブロッコリー、トマトなどを真空低温乾燥設備でスナックにしたものを紹介。無添加、有機、ノンフライ、野菜そのままの味を楽しめることなどを売りにしていました。

 

 

 

ドリンクも健康、天然志向に

「ついに登場」などの見出しで現地メディアに注目されていたのは、台湾の「醸美舗 」。中国茶をベースにしたお酢ドリンクがメイン商品で、現時点で中国大陸には進出はしていないもののネットショップでは売れに売れているとのこと。南京市のメーカー「極燕」など、複数のメーカーが出していたツバメの巣ドリンクも注目を集めていました。

(写真左)烏龍茶、プーアール茶などのお酢飲料(写真右)美容にいいツバメの巣の缶飲料

(写真左)烏龍茶、プーアール茶などのお酢飲料(写真右)美容にいいツバメの巣の缶飲料

 

 

 

【流通・販売】 より早く消費者へ届けられるサービスに注目集まる

広大な国土を持つ中国は、最新設備を備えた物流システムが消費者に新鮮な食材を届けられるどうかのカギになります。また、ここ数年でキャッシュレス化、スマホ決済が一般に普及。これを前提とした販売システムも紹介されました。

食品用保冷バイク便

呼び出し、支払いなど、順豊のバイク便同様アプリで気軽に

呼び出し、支払いなど、順豊のバイク便同様アプリで気軽に

保冷車、物流関連企業だけで100社が参加した今回の展示会。物流コーナーのテーマは「全球健康生鮮供応鍵(世界中の健康的で新鮮なものを供給するカギになる)」でした。なかでも目を引いたのは国内のバイク便の大手「順豊」。バイク便のスピード、手軽さで生鮮食品を保冷しながら配送するサービスが注目されていました。

 

自動販売機が普及しなかった中国に新勢力が登場

自動販売機が普及しなかった中国に新勢力が登場

スマホ決済専用自販機

国内メーカー「哈哈零が出したスマホ決済専用自販機は、今年4月に開催された小売の見本市でも1日で1,000台以上の予約を受けたという注目株(スピーディーに買えるだけでなく、完全キャッシュレスなので中の現金を盗まれないなどのメリットも)。カルビーの「フルグラ」のブースがこの潮流に乗り、自社商品のスマホ決済自販機を展示して注目を集めました。

 

 

 

 

世界初のAI貿易プラットフォーム

「More-V」はフード系見本市に初参加

「More-V」はフード系見本市に初参加

More-V」は、各国の農産物を微信を通して中国に取り寄せができるB2Bプラットフォーム。海外に行かずにSIALに参加する各国の食品メーカーと商談、購入ができるほか(輸出入時の増値税に関する相談も受ける)、各国で開催されるSIAL3D視察(ライブ配信)、売れ筋商品オークションへの参加、各国の新製品情報の配信サービスなどを行っています。

 

 

 

【Japan Pavillion】 地方色豊かな日本ブース

JETROが支援する「Japan Pavillion」には27団体が出展していました。魚の干物(ヤマカ水産)、さつま揚げなどの練り物(ヤマサ蒲鉾)、いなり寿司用油揚げ(大京食品)など、こちらも日本の伝統的、庶民的な「原汁原味」を伝える食材がメイン。地方のメーカーが多く、物産展のようなラインナップでした。中国人旅行者の渡航者数第二位の国として、中国人旅行者に名物を食べに来て欲しいというインバウンド的なPRを兼ねた出店という意図も見え隠れします。

 

(写真左)健康的な日本の食材は大人気。ブース周辺は常に大混雑していた (写真右)焼き魚、煮魚は既に定食メニューなどで人気も定着。干物はまだ未知数の存在

(写真左)健康的な日本の食材は大人気。ブース周辺は常に大混雑していた
(写真右)焼き魚、煮魚は既に定食メニューなどで人気も定着。干物はまだ未知数の存在

新しさと地方色を兼ね備えた商品では、美容に良いとされ中国でも馴染み深い食材・ナマコを使ったデザート「パンナマコッタ」(大根音松商店)と、パソコンやスマホによる疲れ目に効くというとちの実のサプリメント「メニヘルス」(寿製菓)が目を引きました。

(写真左)コラーゲンたっぷりのナマコデザート (写真右)めずらしい食材を使ったサプリは注目される

(写真左)コラーゲンたっぷりのナマコデザート
(写真右)めずらしい食材を使ったサプリは注目される

 

 

 

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SIAL CHINA2018 視察所感

今回出展されていた商品のうち、既に上海市内のスーパーや飲食店で見かけるものも多く見受けられました。チアシード、マヌカハニー、ココナッツオイルなどを扱うショップもあり、それらのバリエーション商品が注目されている印象でした。中国は個人での越境ECアプリ(コアラ.comなど)の利用が普及しており、海外のインスタグラマーなどが勧める商品をリアルタイムで手に入れている人もいます。欧米を始めとする海外商品に興味を持つ人が非常に多いため(中国製より健康的で洗練されているイメージ)、受け入れられる素地は十分過ぎるほどあります。ここ56年で、在住外国人向けに開業した外国人経営の飲食店から、ローカル層へ一気に広がったメニューもたくさんあります。中国でも特に上海は外国人が多く住む地区である為、まずはここからブームを作ることも大きな戦略になると思います。

世界最大級見本市「SIAL」 × 「ライフスタイルリサーチャーⓇ」 史上最強のタッグ、はじまります!

海外在住約600名のライフスタイルリサーチャーⓇによる、海外の伝統的な食文化から最先端の食トレンドまで、あらゆる分野における食のマーケティング情報の収集・分析を行っている「TNC」と、パリ商工会議所、フランス貿易振興会(CFCE)、パリ市、フランス産業見本市連盟等がバックアップする「フランス見本市協会」(見本市名SIAL/パリ、上海、ジャカルタ、ドバイ、インド他)が、このたびタッグを組みました。「SIAL×「ライフスタイルリサーチャーⓇ」で様々な企画が考えられます。まずは、世界各地で開催されるSIAL出展サポート及び、現地進出のために必須となる市場把握とネットワーク構築を実現するオリジナルツアーの企画。見本市が行われる当概地には在住経験が長く、政府機関やローカルに強いライフスタイルリサーチャーⓇが複数名います。シェフ、サプライヤーとのマッチング、家庭訪問や有識者インタビューなど、お互いの持てるネットワークや企画力を駆使すれば、今までにない魅力的なマーケティングが可能になります。ぜひ、ご相談下さい!

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