~シリーズ 世界のライフスタイル~ 世界最大級の食品見本市「SIAL Paris 2018」食の未来を映し出す 5つのキーワード

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世界最大級の食品見本市 「SIAL Paris 2018」 食の未来を映し出す 5つのキーワード

SIALとは、Salon International de l’alimentation(食の国際見本市)の略称で、2年に一度、パリ郊外の国際見本市会場Parc des Expositionsで開催されます。今年は10月21日から25日の5日間で、119カ国から7,200社が出展。約31万人が訪れました。一般公開ではなく、食品業界関係者向けの見本市です。今年のテーマは上記画像にある「LOOK DEEPER」で、食品業界の世界規模でのさらなる発展のために、市場やトレンドをしっかり洞察することをテーマに、4つの特設会場が設置されました。トレンドや新製品を紹介する「SIAL Innovation」、食の未来を見据えた商品・技術を紹介する「Future Lab」ではスタートアップやバーチャルリアリティー、新しい食のコンセプトが展示されていたほか、「Food Tech」では最新技術を駆使した様々な部門の製品が集められ、「Alter’Native Food Forum」には、開発されたばかりの代替食品が展示されていました。それでは今回のシアルを、TNCの視点で5つのキーワードでお伝えします。

世界最大級の食品見本市 「SIAL Paris 2018」 食の未来を映し出す 5つのキーワード

新しい食の形を提案する「タブレット野菜」

会場で注目を集めていたのが、板チョコのような見た目ですが、なんとオーガニック野菜の固形物の食品「CoCasse」。水を加え熱してパスタソースを作ったり、野菜マフィンやキッシュなど、オーブン料理にも使用することができます。忙しい現代社会において、すぐに食べられるものでナチュラルな素材の食品が意外と少ないと感じていた学生が、試行錯誤して開発したというアイテムです。ひとかけらで2人分の食事が作れ、賞味期限は1年と長いため保存食感覚で常備できます。AB(フランス農務省によるオーガニック野菜マーク)を取得済み。今年のSIALでEspoir(期待の星)賞を受賞しました。

新しい食の形を提案する「タブレット野菜」

ミレニアル世代の子どもに向けた「ヘルシースナック」

健康志向の高いミレニアル世代が親になる今後を見据え、その子どもに向けたヘルシー志向のお菓子を各社が提案。極細のフルーツスティックは、ナチュラル素材のみのフルーツとハチミツの新感覚飲料(スロベニア・Medenka社)。チョコレートは、藍藻の一種のスピルリナ入りのもの(フランス・An’ka社)や南米ペルー原産のナッツから採れるインカインチオイル入りのもの(ペルー・Agroindustrias Amazónicas社)といった、食べて健康になるための食品として仕上がっています。塩系のお菓子は、野菜&スパイスのクリスピーバー(ドイツ・Papicante社)やアーティチョークをそのままチップスにしたものなど(スペイン・ CYNARA社)、気軽に栄養を摂取できるものが紹介されていました。

(左)フルーツのスティック © Medenka(中)スピルリナ入りチョコ © An’ka(右)インカインチオイル入りチョコ © Agroindustrias Amazonicas

(左)フルーツのスティック © Medenka(中)スピルリナ入りチョコ © An’ka(右)インカインチオイル入りチョコ © Agroindustrias Amazonicas

(左)クリスピーバー © Papicante(右)アーティチョークチップス © CYNARA

(左)クリスピーバー © Papicante(右)アーティチョークチップス © CYNARA

 

 

様々なカテゴリに広がる「代替食品」

肉を食べない生活に興味がある、ヴィーガンライフを送りたいなど、根本的に食生活を変えたいと思っている人が増えている影響で、市販が拡大している肉やチーズ代替食品以外にも様々な「代替食品」が登場。「○○に似せている・見せかけているが、実際は違う」。商品の中には、一見ケチャップのようですが、ビーツのソー ス「Beetchup」(ポルトガル・Paladin社)や卵を使わないマヨネーズ風のソース(フランス・The Good Spoon社)といった調味料があり、ともにヴィーガン食品。さらに注目を集めていたのは、キャビアに見せかけた野菜&海藻ベースの食品(ハンガリー・Vegan Caviar Luxury社)。限りなくキャビアに近い食感として訴求していました。フェイクフードは様々なカテゴリに広がりを見せており、ハムのような見た目のマグロのスモーク・フィレ(セルビア・Ribella社)も。これからも多様な「フェイクフード」が生まれてくることでしょう。

(左)「Beetchup」 © Paladin(右)マヨネーズ風ソース © The Good Spoon

(左)「Beetchup」 © Paladin(右)マヨネーズ風ソース © The Good Spoon

(左)キャビア風食品 © Vegan Caviar Luxury(右)ハム風マグロ「Tunino」 © Ribella

(左)キャビア風食品 © Vegan Caviar Luxury(右)ハム風マグロ「Tunino」 © Ribella

 

 

海藻を使用した「シーウィードフード」

フランスでは、海藻=海水浴場などに浮いているもので、食用というイメージは全くありませんでしたが、日本食でも使用されることから、ここ数年健康に良いことが注目され、「シーウィードフード」として食生活へ取り入れる動きが見られています。ただ、好奇心旺盛で、他の文化に興味を持つ割には、フランス人の食生活は意外と保守的で、他の国の食材をうまく取り入れることにはあまり長けていないという印象。 そんなフランスでも、海藻を使った意外な商品が発表されました。海藻入り豚の田舎風テリーヌ (Hénaff社)はパンに塗って食べるタイプで、海藻のタルタル(海藻・玉ねぎ・レモン汁を漬けたもの)が混ざっています。また、Odontella社は、100%魚の味がして見た目はサーモンのようですが、サーモンではなく海藻ベースの食品「Solmon」をリリースしています。日本にはない視点が興味深いです。

(左)田舎風テリーヌ  © Hénaff (右)Solmon  © Odontella

(左)田舎風テリーヌ  © Hénaff (右)Solmon  © Odontella

 

 

SIAL INNOVATIONに選出された日本のヴィーガン食品

世界的にヴィーガン食が注目される中、日本の製品がSIAL INNOVATIONに選ばれました。一つは、カネリョウ海藻の海藻グラノーラ。グラノーラというと麦やコーンフレークのようなイメージが強く、フルーツやナッツと混ぜて食べるのが一般的ですが、海藻を混ぜるという新発想が高く評価されました。また、朝食に限らず、スープやサラダにクルトンの代わりに入れるという提案も興味深いです。もう一つはタナカショクの豆腐ジャーキー。ヴィーガンの人でも楽しめるジャーキーという点が評価されての受賞。お肉のような食感なのに豆腐というのが斬新です。

(左)海藻グラノーラ © カネリョウ海藻(右)豆腐ジャーキー © タナカショク

(左)海藻グラノーラ © カネリョウ海藻(右)豆腐ジャーキー © タナカショク

 

 

Pick Up!〜3Dプリンターのスイーツが登場〜

3Dプリンターで作った砂糖菓子

3Dプリンターで作った砂糖菓子

トレンドや新製品を紹介する「SIAL Innovation」のコーナーには、ビジターも出展者も大勢詰めかけて混雑していました。その一角には、3Dプリンターで作った砂糖菓子(フランス・Tridifoodies社)の展示があり、その精巧さからとりわけ注目を集めていました。

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SIAL Paris 2018 視察所感

フランスでは、数年前にBio(オーガニック)と商品のパッケージに記載されたものが数多く出回り、「Bioなら買う」という意識が浸透していきましたが、その後、Bioという記載が消費者の購買意欲を煽るだけで実際には疑わしいことがメディアで取り上げられました。結果として、消費者の目が厳しくなり、基準をクリアしたBio製品に付けられるAB認証ロゴマークの有無が重要になりました。そして、ヴィーガン認証ロゴマークについては、化粧品業界では普及し始めているものの、フランスの食品業界ではまだ地位を確立している印象は受けません。今回のSIALでは様々な個性的なヴィーガン食品を目にしましたが、肉やシャルキュトリー(肉加工食品)が大好きで、食生活において保守的なフランスの食文化にあわせてどのようにアプローチしていくかが課題になりそうです。

世界最大級見本市「SIAL」 × 「ライフスタイルリサーチャーⓇ」企画

海外在住約600名のライフスタイルリサーチャーⓇによる、海外の伝統的な食文化から最先端の食トレンドまで、あらゆる分野における食のマーケティング情報の収集・分析を行っている「TNC」と、パリ商工会議所、フランス貿易振興会(CFCE)、パリ市、フランス産業見本市連盟等がバックアップする「フランス見本市協会」(見本市名SIAL/パリ、上海、ジャカルタ、ドバイ、インド他)が、このたびタッグを組みました。「SIAL」×「ライフスタイルリサーチャーⓇ」で様々な企画が考えられます。まずは、世界各地で開催されるSIAL出展サポート及び、現地進出のために必須となる市場把握とネットワーク構築を実現するオリジナルツアーの企画。見本市が行われる当概地には在住経験が長く、政府機関やローカルに強いライフスタイルリサーチャーⓇが複数名います。シェフ、サプライヤーとのマッチング、家庭訪問や有識者インタビューなど、お互いの持てるネットワークや企画力を駆使すれば、今までにない魅力的なマーケティングが可能になります。ぜひ、ご相談下さい!

今後開催予定のSIAL

▶ シアル・インターフード(ジャカルタ)2018年11月21日(水)~24日(土)

▶ シアル・ミドルイースト(アブダビ)2018年12月10日(月)~12日(水)

▶ シアル・カナダ(トロント)2019年4月30日(火)~5月2日(木)

▶ シアル・チャイナ(上海)2019年5月14日(火)~16日(木)

▶ フード・インディア・バイ・シアル(ニュー・デリー)2019年9月19日(木)~21日(土)

詳しくはこちらからお問合せください

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