~シリーズ 世界のライフスタイル~ インバウンド&アウトバウンド両方の視点でお届け!~アジアフードトレンド最前線~

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インバウンド&アウトバウンド両方の視点でお届け! アジアフードトレンド最前線

TNCでは現地在住日本人ネットワーク「ライフスタイル・リサーチャー」と、TNCアジアトレンドラボの現地若者で構成される「トレンドウォッチャー」のスキームを活用し、フードトレンド情報を収集・研究しています。これまで商品開発に際しては欧米のフードトレンドを見ることが多かったのですが、SNSの登場により欧米の情報が時差なく世界各国に広がり、アジアではそれを独自にアレンジした事例、伝統料理をモダンにアレンジした事例なども登場。市場としてのアウトバウンド視点のみならず、日本国内の商品開発のヒントにもなるインバウンド視点でもアジアのフードトレンドは注目すべきものが多いと考えています。そこで今回のVOICEではアジア各国の食トレンドを4つのキーワードで紹介いたします。

 

①伝統食や伝統酒のモダンアレンジが続々

伝統的な食に海外のエッセンスやトレンドが加わり、若者にも受け入れられ広がる事例が数多く見られます。昔から食べてきたものがスイーツやファストフードとして手軽に、さらにフォトジェニック&スタイリッシュになり受け入れられています。

モダンアレンジされる国民食「ナシレマ」

シンガポールで話題になったナシレマバーガーがマレーシアでも人気に

シンガポールで話題になったナシレマバーガーがマレーシアでも人気に

マレーシアの伝統料理、ナシレマ(ココナッツミルクで炊いた米に唐辛子やチリソース、干し魚などを混ぜる料理)をアレンジした、「ナシレマケーキ」や「ナシレマキットカット」が登場し、SNSを賑わせています。ナシレマキットカットには本物のナシレマ同様、唐辛子や干し魚を使用。そして20184月からは、マレーシアのマクドナルドから「ナシレマバーガー」も販売を開始。ナシレマはマレーシア人いわく、海外から帰ったら真っ先に食べたい料理と呼ばれる国民食で、スナックやファストフードにアレンジされ、親しまれています。

 

 

若者向けに伝統酒をモダンアレンジ

バンコクの中華街であるヤワラートの「TEP BAR」は、タイの伝統音楽や伝統料理を楽しめるスタイリッシュなバル。タイの漢方酒であるヤードンをベースにしたカクテルが人気で、地元の若者からファミリー、観光客も足を運びます。また、北京には伝統酒「白酒(バイチュウ)」専門バーがオープン。白酒とは米やコーリャンを原料とした中国伝統の蒸留酒。中国の宴席では白酒が欠かせませんでしたが、近年はビールやワインが好まれる傾向にありました。その流れに一石を投じるように、白酒専門バーの「首都酒坊(ショウドジウファン)」がオープン。最高級の銘柄から庶民的なものまで常時50種近くを揃え、グラスの他、白酒ベースのカクテルなども提供しています。

(左)バンコクの中華街・ヤワラートは「TEP BAR」をはじめスタイリッシュな店が増加中 (右)白酒や白酒カクテル、中国のクラフトビールなどを提供する「首都酒坊」

(左)バンコクの中華街・ヤワラートは「TEP BAR」をはじめスタイリッシュな店が増加中
(右)白酒や白酒カクテル、中国のクラフトビールなどを提供する「首都酒坊」

 

 

②欧米で評価された料理が自国でも再評価

食トレンドの発信地である欧米で評価された料理が、改めて自国さらには周辺国にも広がる動きが近年見られます。フィリピン人スターシェフの登場やパレオダイエットにも向いているということでアメリカでフィリピン料理が人気になっています。

スーパーフード、発酵食を多用したヘルシーフュージョン「フィリピン料理」ブームがアメリカに到来

さまざまな食文化のフュージョン、独自の調味料などからアメリカでトレンドになっているフィリピン料理

さまざまな食文化のフュージョン、独自の調味料などからアメリカでトレンドになっているフィリピン料理

アメリカでは5年ほど前からフィリピン料理のブームがやってくると言われ続けていましたが、2017年頃からようやくその兆候を感じるようになりました。「甘い」「しょっぱい」「酸っぱい」という3つの味覚を中心とし、辛味が少ないのが特徴です。スペインやアメリカによる植民地支配、メキシコや中国との交易といった歴史背景、地理的な条件から近隣諸国のマレーシアをはじめとする東南アジアなど、海外からの影響を受けた複雑な味のフュージョン料理で、欧米でのエスニック料理ブームの流れもあり注目を集めています。タマリンド、パパイヤ、マンゴー、カラマンシーといった南国の高栄養価フルーツを多用し、伝統的な発酵調味料を積極的に使用。さらに、主食は米やトウモロコシが多く、牛乳の代わりにココナッツミルクを使用するなど、グルテンフリーやデイリーフリーの食事制限にも向いている点も、人気の理由として挙げられます。こうした流れに影響を受け、フィリピン国内でもモダンなフィリピン料理を提供する飲食店が増えており、今後アジア中心に各国に広がっていく可能性がうかがえます。

 

③進化し続けるストリートフード

屋台やホーカーが食生活の一部として浸透しているアジア各国では、ストリートフードからいくつものフードトレンドが発生します。まったく新しいものから既存の食に新たなフレーバーやスタイリッシュな提供方法で話題になる事例も数多く挙げられます。

シンガポール発「ソルティッドエッグ」がASEANで大ヒット

ASEAN各国のソルティッドエッグブームの火つけ役となったシンガポールの「IRVINS」

ASEAN各国のソルティッドエッグブームの火つけ役となったシンガポールの「IRVINS」

ソルティッドエッグとは、塩漬けした(主にアヒルの)卵のことで、ASEAN各国では、スイーツや中華料理、日本でも人気の月餅などに使われています。シンガポールのIRVINS」というショップがソルティッドエッグソースをたっぷりかけたサーモンスキン(鮭の皮)のポテトチップスを発売。BigサイズはSGD16(約1,280円)、SmallサイズはSGD8(約640円)と、物価の高いシンガポールでも高額にも関わらず連日行列ができるほどの人気です。このソルティッドエッグブームがASEAN各国に波及し、フィリピンではお洒落なクラフトポテトチップス、インドネシアではソルティッドエッグ丼、KFCからはソルティッドエッグフレーバーのチキンも販売されました。

 

アジアの食トレンドを牽引するコリアンストリートフード

韓国をはじめアジア各国では食べ歩きができる「ポータブルフード」がトレンドになる傾向にある

韓国をはじめアジア各国では食べ歩きができる「ポータブルフード」がトレンドになる傾向にある

韓国のトレンドは若者を中心に海外に波及していくことが少なくありません。韓国のトレンドをウォッチすることでASEANや中国、台湾、そして日本のトレンドが見えてくると言えます。左の写真は、大きなドリンクカップの上にステーキやポテトが盛られたプレートをのせて、食べ歩きもできる「ハンドステーキ」。ユニークで新しい食べ方やインパクトのあるヴィジュアルでSNSでも話題になっています。また、Comb Honey=「巣ミツ」をそのまま使用したスイーツが人気を集めています。ローヤルゼリーやプロポリス、花粉の成分であるビタミン、ミネラル、カルシウムなどがそのまま残っているため、普通のハチミツより栄養価が高いスーパーフードとして注目され、ヴィジュアルインパクトもあるため、広がりを見せています。

 

 

 

④アジアに見る菜食の知恵

これまでアウトバウンドの市場として考えられがちだったアジアですが、野菜を食べる知恵やアレンジ方法など、新商品・サービスを検討するにあたって学ぶべき点=インバウンド視点で見ることも重要です。ここではアジアにおける野菜を食べる知恵を紹介いたします。

タイ料理には欠かせないピリ辛ディップ「ナムプリック」

写真中央のディップが「ナムプリック」。

写真中央のディップが「ナムプリック」。

タイ北部の定番「ナムプリック」は、生野菜に合うピリ辛ディップ。ご飯にかけたり生野菜に付けたり、スープや煮込み料理の味付けにも使用します。唐辛子、ニンニク、エシャロット、ライム果汁などをすり鉢で潰してつくり、エビや小魚を潰して発酵させたガピ、ナンプラー、砂糖を加えることもあります。味付けには地域色があり、家庭によってもレシピが異なり、液体、ペースト、ほぼ乾燥したもの、顆粒、粉末など形態もさまざまで、タイ北部だけでも30種類はあると言われています。

 

菜食主義の日「An chay」に食べる満足感の高い精進料理

ベトナムの菜食主義の日に食べられる料理

ベトナムの菜食主義の日に食べられる料理

ベトナム語で「An chay」とは、「精進料理(com chay)を食べる(an)」という意味です。仏教徒の多いベトナムでは、毎月2回、新月と満月の日にあたる旧暦の1日と15日に精進料理を食べる習慣があります。植物性の食材だけを使う料理は質素で物足りない印象がありますが、満足感が得られて美味しい料理が少なくありません。主な素材は、野菜、果物、豆腐、キノコなどで、植物を発酵させたタレを使うことで深いうま味が感じられ食が進むうえに満足感が得られます。また、豆腐のアレンジ料理も豊富で飽きずに食べられます。

 

 

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アジア食潮流セミナーのご案内

アジア食潮流セミナーのご案内TNCでは「アジア食潮流セミナー」を実施しています。商品開発やコンテンツ制作などに役立つインバウンドと、現地向けの商品開発やプロモーションなどをサポートするアウトバウンドの双方向の事例の収集・分析が可能です。

今回のVOICEでは、アジアの先進事例・伝統の知恵を10のキーワードでお届けする「アジア食潮流セミナー」の中から4つのキーワードを抜粋し、事例を紹介しました。事業領域やリクエストに合わせて内容をカスタマイズすることも可能です。

ご質問や気になることなどありましたらお気軽にお問い合わせください。

 

 

 


問い合わせ先

株式会社TNC 澤村・濱野
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