~シリーズ 世界のライフスタイル~ アフターコロナ時代の消費新潮流「SIAL CHINA(中食展)2020」

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アフターコロナ時代の消費新潮流「SIAL CHINA(中食展)2020」

2020年9月28日から30日、今回で21回目となる「SIAL CHINA(中食展)」が上海で開催され、23カ国から2,200社が参加しました。テーマは「アフターコロナ時代の消費新潮流」。コロナの影響で規模は例年の3分の2ほどに縮小されていましたが、中国国内の大手スーパー、ショップアプリ、フード系アプリなどから招かれた6万人が参加、7,000人のサプライヤーが含まれています。コロナ前の見本市と同等の熱気に包まれ、「1対1の3分間マッチング」など、商談スペースの回転をより速くするルールも導入されました。今回特に注目を浴びていたのは、KOL(Key Opinion Leader)発のヒット商品と自粛中や災害発生時、アウトドアシーンなどに便利な保存がきくインスタント食品です。伝統的な食材や植物性食品の注目度も高く、伝統回帰や自然志向の高まりなども感じることができました。

アフターコロナ時代の消費新潮流「SIAL CHINA(中食展)2020」

KOLが生み出すヒット商品

中国を代表するビデオブロガー李子チー(2020年10月現在のチャンネル登録者数1,280万人)が今年食品会社を設立。KOL(Key Opinion Leader)が自らヒット商品を製造する時代に突入した。

伝統的な郷土料理がヒット

四川省の農村エリアに暮らす李子チーは、親と死別し祖母と暮らす90年代生まれ。貧しくも豊かな自給自足生活を送りながら得意の料理を披露する動画が「好看視頻」、「bilibili」などの動画アプリで注目され、彼女が作る素朴な郷土料理を食べてみたいと考える人が増加。発売した半調理麺「螺獅粉(タニシ入りビーフン)」は30億元を売り上げ、 「李子チー秋梨枇杷膏(漢方びわゼリー)」は今回のSIAL CHINAイノベーション賞の銀賞を受賞している。

李子チーのブース。大行列ができていた

李子チーのブース。大行列ができていた

・写真(左)試食コーナーの行列・写真(中央)螺獅粉。ローソン、セブンイレブンなどでも販売・写真(右)銀賞を受賞したびわゼリー

・写真(左)試食コーナーの行列・写真(中央)螺獅粉。ローソン、セブンイレブンなどでも販売・写真(右)銀賞を受賞したびわゼリー

備蓄もできる一人用食品が急増

コロナ、災害(大雨による水害)、独身者の増加、晩婚化など、中国の社会問題や消費者ニーズを汲み取ったインスタント食品が増加。

自宅で一人で楽しめる火鍋商品

「一人用火鍋」(重慶金羚羊電子商務有限公司)は、ガス、電気が不要(カップの下部に水を入れると発熱し、沸騰する)。Tiktokと人気を二分する動画投稿アプリ「快手」でライブ販売したところ、10分で5000万個を完売した。社会問題となった水害時の備蓄、コロナ以降ブームのアウトドアシーンで使えるなど時代にマッチした商品。

「一人用火鍋」のブース。ライブ配信時の映像をエントランスで紹介

「一人用火鍋」のブース。ライブ配信時の映像をエントランスで紹介

伝統食材が注目されたイノベーション大賞

毎回SIAL CHINAでは出展された食品の中からイノベーション大賞(金から銅賞)が選出される。今年は植物性の食材を使った伝統食をベースにした商品が選出された。

ハイビスカスの形状を保ったパリパリおやつ

「一人用火鍋」(重慶金羚羊電子商務有限公司)は、ガス、電気が不要(カップの下部に水を入れると発熱し、沸騰する)。Tiktokと人気を二分する動画投稿アプリ「快手」でライブ販売したところ、10分で5000万個を完売した。社会問題となった水害時の備蓄、コロナ以降ブームのアウトドアシーンで使えるなど時代にマッチした商品。

洛神花脆片

洛神花脆片

大豆、キノコ製の中華料理向け植物性ミート

火鍋やチャーハンなど、中華料理に使える豚肉のフェイクミートが市場拡大のきざし。生薬としても使われるめずらしいキノコを加えるなど、自然食材であることをアピール。

植物性ミートのチルド食品

2021年上半期に広東省にフェイクミートの工場建設に着工すると発表した香港の食品メーカーGreen Mondayの「新膳肉」のブースでは、チャーハン、肉入りちまき、ビーフンなど、フェイクミートで作られたチルド食品を紹介。材料にはヤマブシタケ(薬膳にも使われるキノコの一種)、シイタケ、えのき、ヒラタケなどの各種キノコと大豆が使われており、植物性のヘルシーな食品であるとアピール。

使用している食材のプレゼンテーション

使用している食材のプレゼンテーション

 


SIAL CHINA2020 視察所感

今回のSIAL CHINAは約4ヶ月の延期を経て開催されたものでしたが、その4ヶ月の間にライブコマースで実績を作ったり、コロナ後の時代に合う食品を急遽開発したと思われる商品が多数出展されていました。ビデオブロガーの李子チーのように延期期間中に創業した食品会社もあり(短期間で完成度の高い展示ブースも制作)、改めて中国企業の仕事の速さと機動力を見せつけられました。自粛期間中に動画アプリが多く視聴されたことや、外出できない時期にライブコマースで消費欲を満たしていた人が多かったということが展示内容にダイレクトに反映されていたと思います。上海悦舒電子商務有限公司、重慶金羚羊電子商務有限公司など、IT系の会社が食品を開発し、ECアプリやライブ配信のプラットホームのみで販売していくモデルも今後浸透していくものと思われます。 創業一年前後でも、KOLと効果的にタッグを組み、中国の10代・20代に受ける要素を先取りした商品を開発している企業はしっかりとヒットしており、これまでになかった新しさのある商品を試してみたいと考える、中国の生活者の意識を感じました。


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