進化するイギリスのスーパーマーケット

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●顧客満足が高い小規模スーパーマーケット

大型店の名前に「express」や「Local」など区別を付けた小型店

Sainsbuy`sの定番PBライン「Taste the Difference」

これまでは郊外に大きなスーパーが次々に建ち、ショッピングカート一杯に買い物する人が目立ったが、今は、日本のコンビニよりも大きく、スーパーよりも小さい地域密着型のスーパーマーケットの存在が目立っている。特に、テスコなどを始めとする、主要大型スーパーが食品を中心とする小型版を出店するケースが多く、ここでは、ランチのセットメニューをサッと買ったり、プロモーション商品だけを目当てに立ち寄ったり、今日の夕飯の足りない材料だけを買いに来るといった買い物客が多い。また、大型店に行く人よりも買い物に計画性がなくふらっと立ち寄る人も多いが、小型店でも、大型店と同じストアカードでポイントを貯められることもリピーター獲得につながっている。また、スーパーのPB商品を好んで買う人も多く、大型店と同じものが、近所の小型店でも買える安心感やブランド価値が、このチャネルの拡大と進化の秘訣でもある。便利且つロイヤルティありの小規模スーパーマーケットの市場規模は、次の5年であと12%拡大すると言われている。

●会員によるボランティア営業のスーパーマーケット

無償で一生懸命働くゆえに、店、物、人に対する思いはとても深い

ロンドンから広がりはじめたユニークなスーパー「The People’s Supermarket」。環境保護、価格設定、企業活動全ての面において公正で「ethical」(倫理的)をビジョンに掲げ営業している会員制スーパーである。しかし、会員制というのは実は客ではなく、スタッフ側というのが普通と違うところ。年会費£25(約4,000円)を納め、月4時間以上無償で働くことがメンバーの条件。商品は10%offで購入できる特典付き。消費者でもあるボランティアスタッフが安心して食べられるものを仕入れ、陳列し、レジ打ちを行っている。他の大手スーパーにありがちな安さのみを追求するやり方ではなく、地域の良質なものを適正な価格で仕入れ、提供することにより、生産する人と買う人と地域とが一体になる場がこのスーパーの特徴であり、まさに「市民による市民の為のスーパーマーケット」といえる。弁護士、DJ、学生、年金生活者など様々なバックグラウンドを持つ1000人の会員が登録している。チャリティー&ボランティア精神が豊かな英国ならではの新しい協同組合営業の進化は、これから地方都市にもさらに広がっていく見込みだ。

●テクノロジーの進化に伴うサービス、「4G ショッピング」

紙に書いたショッピングリストを家に忘れることはあっても、携帯電話は絶対に忘れない私達

ASDA携帯アプリのインターフェース

オンラインショッピングなど、テクノロジーの発達がショッピングをインストアだけのものとしなくなったが、Wi-Fiネットワークの浸透と、インターネットの高速化、そして、4Gスマートフォン(以下スマホ)の登場で、ショッピングの形が変わりつつある。例えば、大手スーパーの1つ「ASDA」のアプリケーションを利用すると、①スマホでバーコードをスキャンすると、詳しい商品情報が確認できる。②スマホに向って商品名やカテゴリーを伝えると、売り場を教えてくれる。③自宅で買い物リストを作成でき(家にある物をスキャンできる)、買い忘れを防いでくれるシステムがある。④顧客に合わせた商品広告を表示する。⑤商品をカゴに入れながら、スマホで商品をスキャンすると、レジでは商品をカゴから出すことなく、スキャンしたデータで会計を済ますことができる・・・などなど、ここには書ききれないサービスがたくさん。近い将来は、買った(買う)商品のデータを元にオリジナルレシピを教えてもらえたりと、テクノロジーが生むハイスピード、ハイクオリティーなサービスの進化に益々期待が寄せられている。

●スーパーが古くて新しい朝食ブームを加速させる

伝統的な朝食フルーツのせポリッジが朝のエネルギー源として最注目

シリアル売場で多くのフェイスを占める1人用インスタントポリッジ

伝統的な英国の朝食ポリッジ(オーツ麦をミルクなどで煮たおかゆ)が、この5年くらいで売り上げを2倍に伸ばしている。中高年に人気だったオーツ麦は、ヘルシー志向ブームも手伝って、若い世代にも、ビタミン、ミネラルたっぷりローカロリーのヘルシーブレックファーストとして注目されている。ポリッジは、温かいまま食べるので、体が温まり、腹持ちがよく、一日をスタートさせるエネルギー源になることが人気のポイント。現在では、ポリッジ専門店に注目が集まり、スーパーマーケット内で人気のon the goコーナー(総菜やドリンクを提供するエリア)で、ポリッジをオーダーすることも可能。また、以前よりフレーバーやパッケージがバラエティーに富み、1人用の小袋入りやカップ入りのインスタントポリッジがスーパーのシリアルコーナーを占めている。またグルテンフリー食材の需要が高まっており、スーパーのPB商品の1つとして、グルテンフリーのカップ容器に入ったポリッジも積極的に販売されている。

「食」の世界でも発信性を高めているイギリス。同様に、人々のライフスタイルも「伝統と革新」をうまくミックスさせ、それらを柔軟に取り入れています。「伝統を大切にし、新しい物に疎いイギリス人」というのはもう過去のことですね。スーパーマーケットには世界のライフスタイルや、変化の兆し、様々なアイデアが詰まっています。TNCではこうした現地の流通や、食のトレンドをライフスタイル・リサーチャーが日本語で、クイックにリサーチを行います。ご興味のある方はお気軽にこちらまでお問い合わせください。

ライフスタイル・リサーチャー 4-Ways Food research

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