海外から見る2020東京オリンピック

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スポーツマーケティング会社「テイクアウト・マーケティング」代表 モリ―ニノミヤ氏


●東京での開催決定は当然の結果だった
2020年の東京オリンピックのキーとなるのは「経済」であると語るのはペプシやMLS(メジャーリーグ・サッカー)などをクライアントに持つマーケティング会社「テイクアウト・マーケティング」代表の日系人、モリー・ニノミヤ氏である。  「アメリカのプロスポーツ業界にとって2020年のサマーオリンピックが東京に決定したのは、ごく当然の決定であると映ったのは間違いない。」とニノミヤ氏は語る。「まず東京では2019年のラグビーのワールドカップ開催を目指して、新たな国立競技場の建設が既に決定していた。これはトルコにもスペインにもなかったことでこの違いは大きい。“安全“も非常に重要なファクターだ。また何より東京は世界の最先端かつ最大規模の大都市である。資金力、施設、交通、宿泊施設などどこよりも高い基準をクリアしている。それが世界のスポンサーの関心をよび、グローバル時代の世界最大規模のスポーツイベントとして重要な経済効果を地球規模で作り出すことができるだろう。」

五輪前にラグビーの世界大会で注目を集める新国立競技場


●東京オリンピックが成功するためのキーワード
しかし日本には未だ東日本大震災による原発事故の影響が残っている。それに関して懸念はないのだろうか。
「もちろんアメリカにもそれを指摘する声もないことはないが、2020年にはそれほど大きな問題ではなくなっているだろうというのが大方の見方だ。」では東京オリンピックが成功するためのキーワードとは?「施設、資金力、街のそして住人の協力だと思う。特に東京の人々はオリンピック成功のためのサポートを惜しまないだろうから、それは何よりも強いパワーになるに違いない。」


リオ2016組織委員会 政治・スポーツ事業部長 ロドリゴ・ガルシア氏


●開催するにふさわしい変化が続くブラジル・リオデジャネイロ
「リオデジャネイロでは、2007年のパンアメリカン競技大会開催がきっかけとなり、その後街全体でオリンピックに向けての準備が進んでいる。」と語るのは、リオ2016組織委員会の政治・スポーツ事業部長のロドリゴ・ガルシア氏。
リオ2016組織委員会のある港湾地区のように、長年砂漠化していた地域にはモダンなビルがどんどん立ち並び、スタジアム、空港のリフォームが遅れを指摘されながらも進んでいる。ブラジルのオリンピックにおけるメダル数の上昇、国内のスポーツ関係企業の成長、国際企業の参入と、開催地にふさわしい変化を遂げてきたといえる。東京はもともとインフラが整っている街という点で、リオデジャネイロとは異なるとガルシア氏は指摘する。「開催地としてふさわしい街になるべく学びながら準備していくという点では、リオも東京も同じ。しかしインフラ整備の完成度には、大きな差がある。」

オリンピック開会式、閉会式が行われる予定のマラカナン・サッカースタジアム


●日本らしいテクノロジーが駆使された五輪に期待
「また、2020東京オリンピック開催はアジアに大きな影響を与えるだろう。日本独自のテクノロジーが駆使されたオリンピックに世界中が注目しています。国際イベント開催という面では、お互いに学ぶことはたくさんあるだろう。リオデジャネイロの全ての経験を東京へ渡していきたいと考えている。」と東京オリンピックへの期待と抱負を語った。
治安の不安が挙げられてきたリオデジャネイロオリンピックでは、特にセキュリティー対策として、新たなテクノロジーの導入が進められる予定だ。顔を識別するセキュリティーカメラや、観客を識別するカメラ付き自動改札口などプロジェクトは進んでいる。実際このようなテクノロジーは、リオデジャネイロオリンピックを経て、東京オリンピックでさらに完成されると期待されている。


パリ在住の都市計画家 パスカル・ヴィラン氏


東京でオリンピックが開催されるということは、東京に海外の人が多数訪れるという話しに置き換えられる。7年後に向けて、「東京」という都市は何を準備するべきなのだろうか。世界一の観光都市として知られるパリ在住の都市計画家パスカル・ヴィラン氏に「住民と旅行者がうまく共存する観光地」についての話を伺った。

フランス南部にある観光地 Palavas-les-Flots


●観光地として成功するポイントは「観光客とのダイレクトなコミュニケーション」
フランスの観光地の住民は観光業の活性化=街の活性化により、商店・飲食店の増加、公共交通機関の発達につながり、恩恵を受けられることを知っている。そして住民だけの力では得られない街の発展を観光客に手伝ってもらうという意識がある。
例えば、フランスの南部にあるPalavas-les-Flotsという街では商工会議所が主体となって、観光局に勤務する人以外でも土産を販売している店や工芸品などを作る職人にも英語のレッスンを実施した。観光客と接する本人が直接コミュニケーションすることが本当の意味での歓迎の印となる。また、最寄り駅から街の中心地まで距離があり、駅前に中心地の方角を示す標識があったが、この案内だけではクリアではなく、せっかく来ても中心地の位置が分からずにあきらめて帰ってしまったという例もあった。歓迎するということは、多くの方に来て欲しいという気持ちと同じくらい、自分の街・地域の環境を分かりやすく標記することである。

今回の特集はいかがでしたか。最後のパスカル氏の言葉のように、人、街、企業、それぞれが、東京に来る方を歓迎する気持ちを持ち、2020年以降の日本の姿も見据えながら、積極的にコミュニケーションをしていくことが重要なのではないでしょうか。TNCでは、今回のような専門分野の有識者へのデプスインタビューのアレンジも行っておりますので、興味のある方はこちらへご連絡ください。こうした様々な海外情報はFacebookでも更新していますので、ぜひご覧下さい。

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