「食」意識の変化が日本の商機を生む トルコ・イスタンブル

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国民食のマントゥをラプサンスーチョンの茶葉で香りつけたフュージョン料理

国民食のカルヌヤルクのフュージョン料理。通常は焼いたなすを使用するが、蒸してありソースもフランチ風に仕上げてある

トルコと聞いて思い浮かぶ食べ物といえば、ケバブと甘いチャイという人が多いのではないだろうか。トマトやヨーグルトを使った料理が多いことでも有名である。食に対して保守的な考えを持つトルコ人に伝統的な料理として親しまれてきたのは、新鮮な野菜のうまみを生かしたものやシンプルな味付けの肉料理が主体である。しかし、ここ10年ほどはイタリアンやフレンチが人気となっており、現在は「フレンチ&イタリアン化するトルコ料理が注目されている」とファーティフ氏は語る。例えばナスの料理であれば、これまでは肉を詰めて揚げていたものを、別の食材を詰めて蒸すことで変化を加えたり、伝統的なトルコ料理にフレンチで使用するようなソースを加えて味付けを変ることで、モダンな料理としてトルコ人に受け入れられているというのである。これは人気のロカンタ(カフェテリアのようなレストラン)で提供される料理だけに限らず、家庭の食卓でも同じことが起きているそうだ。

中間層が通うスーパーのサラダオイルコーナーにはカロリーオフをアピールする商品は見かけない

ヨーロッパ側からボスポラス海峡をアジア側に渡ってすぐの街カドキョイにある、ロカンタが立ち並ぶ通り。健康への意識の変化が広まりつつある。

オリーブオイルをふんだんに使用した料理や、甘いお菓子やチャイを好むトルコ人の間では糖尿病が問題となっており、健康志向だという人が増加傾向である。食事に気を使う人が増えてきていることを受けてイスタンブル・キッチンアカデミーでは、砂糖ではなく無添加のブドウシロップを使用するようにしているほか、料理学校に併設のレストランでは調理時に使用する塩を少なめに調整し、好みに合わせて自分で塩を加えるスタイルにしている。また、イスタンブルにあるレストランでも、塩分を控えめに調理する店が増えてきているそうだ。しかし、外食や給食のなどのシーンでは栄養士が関わっていることが少なく、「バランスの取れた食事をするという考え方が根付き、トルコに普及するまでにあと5年はかかるだろう」と、ファーティフ氏は語る。人気のフュージョン料理と同様に、ロカンタから広がる健康への取り組みは、徐々に家庭の食卓へも広がっていくことが予想される。このタイミングで日本企業がトルコに進出し日本の食材や食品を「健康」であるとアピールすることが出来れば、市場でシェアを持つことはまだ十分可能ではないだろうか。

イスタンブル・キッチンアカデミーの授業の風景

2010年の「トルコにおける日本年」あたりから日本とトルコのビジネス面の関係は強化されてきており、進出する日本企業(中小企業)が増えてきている。一方で日本の食文化については、まだこれからという状況であるが、イスタンブル・キッチンアカデミーは日本食に可能性を感じており、「和食の授業を設けることも十分可能性として考えられる」とファーティフ氏は語る。ヘルシーな日本の食文化をまず料理のプロに伝えることで、トルコで生活している人にも徐々に受け入れられていくと感じているそうだ。

今回の特集はいかがでしたか。食に対して保守的な考えを持つトルコ人は少なくありませんが、トルコ料理を主体としたフレンチやイタリアンのフュージョン料理が人気になるなど食の変化がおこり、健康志向も高まりみせています。トルコ人にはまだ目新しい日本の食品や食材を受け入れられる素地があり、これからさらに多くのトルコ人が興味を持つことが日本企業にとっては追い風となります。TNCはトルコのネットワークを活かし、進出を考えている日本の企業様のお手伝いをさせていただきます。

2014年5月、トルコきっての調理師学校「MSA( Mutfak Sanatlar Akademisi ムトファック・サナトラル・アカデミスィ)」で開催された「うま味」セミナーの様子を取材したページを公開しています。世界が注目する「うま味」はどのように受け止められたのでしょうか。ぜひこちらの記事でご確認くださいませ。

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